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ファーマコビジランス2.0 ~顧客は行政か患者さんか~
2018/04/19  14:00 ~ 14:45

中外製薬
安全性リアルワールドデータサイエンス部長
青木 事成 氏

 
概要

日本では「ファーマコビジランス(pharmacovigilance、PV)」を医薬品の安全性監視活動と翻訳することが多いが、本来的には異物混入、誤飲、ニセ薬などを見つけることも含んだより広い概念である。製薬企業においてはGVP、GPSP省令の下、狭義の意味でのPV活動が義務化されており、関連する調査業務を主にはMRが、データマネジメント業務をCRO業界のスタッフが主対応している現状を鑑みると、数万人規模の雇用を産んでいる一大職種であり、社会的機能である。

従来のPV活動では人の目や判断を中心に据え、その脇役として副作用症例の報告管理システムやEDC(Electrical Data Capturing)システム、CDM(Clinical Data Management)システムなど、業務効率の向上や業務・アウトプットの品質に貢献する目的にてIT技術が貢献してきた。

上記のようなITテクノロジーはフィンテック(FinancialとTechnologyを組み合わせた造語)的に分類するならば「ファーマコビジランス1.0」といえよう。では、フィンテック2.0、つまりこれまでの既成概念を白紙にして考えるテクノロジーの利用「ファーマコビジランス2.0」とは何だろう。少なくとも行政当局の指示に従うのみの活動ではない筈だ。

今回はその「ファーマコビジランス2.0」を一緒に考えてみたい。はたして今どんな動きがあるのか。それはどんな技術の利用を想定しているのか。経済的な合理性はあるのか。規制上の問題はどうか。様々に複雑な課題はあるものの、シンプルに患者さんや社会全体を顧客に見据えるならば自ずとそのあるべき姿が見えてくるだろう。

プロフィール

【略歴】
1991.04.日本ロシュ株式会社(現:中外製薬) 入社
以降、一貫して安全性部門にて生物統計、データマネジメント業務に従事
2002.10. 戦略的アライアンスにより中外製薬株式会社勤務となる
2011.01. 疫学グループ新設に伴い異動
2017.04. 安全性リアルワールドデータサイエンス部の新設に伴い異動、現職

【主な社外活動】
日本薬剤疫学会 理事・評議委員
日本臨床疫学会 上席専門家
東京医科歯科大学 非常勤講師

日本製薬団体連合会 医薬品安全対策WT3(薬剤疫学・医療DB活用) リーダー
日本製薬工業協会 医薬品評価委員会 医療DB活用 委員会タスクフォース1 リーダー
日本製薬工業協会 医薬品評価委員会 PMS部会
TF3(医療情報DB活用を見据えたGPSP関連制度に関する提言)アドバイザー

(製薬業界代表として下記活動への参画)
医療情報データベース基盤整備事業(MID-NET)
小児医療情報収集システムデータ利活用要綱検討会